木の質感にこだわり、製材する技術
この木は長さが6m、元径1m40cmもあります
木の感性をみる
木材というものは見れば見るほど不思議な気持ちと感動を人に与えてくれます。たぶん同じ建築材でも鉄骨の型鋼を見て惚れ惚れとした感情を抱くことなどないと思いますが、木にはそれがあります。ここに紹介する写真は北米産の日本名で「サワラ」という木にあたるものです。桧の仲間で独特の良い香りがあります。製材は丸太ごとに立ち会って木取りを指示しますが、実際挽いてみないと中身がどうかわかりません。一応は経験で指示は出しておくのですが、挽きながら何が出るか気が気ではありません。予想以外の結果にすぐ指示を変えることも多々あります。 そんな丸太との真剣勝負にも似た格闘作業に数日間つき合うこととなりますが、あんなにやかましい製材機の脇にいても、とくに苦にならないのはなぜでしょうか、不思議なものです。木は見ていて飽きないばかりか、次に何ができるか興味津々なのです。